聞く人のニーズに応える

  • 2017.04.22 Saturday
  • 10:08

4月も下旬になり、決算作業が峠を越えた法人も

少なくないことでしょう。まだ悪戦苦闘中のところも

あるでしょうけど、とにかく日々の努力のゴールとも

いうべき大仕事、無事の完了を祈ります。

 

決算作業の次は、理事会などで決算書の説明を任される

会計担当者もいらっしゃいます。そうした場で分かり易く

説明するには、デスクワークとまた違ったスキルが求められるため、

過日「報告書を説明する」というテーマでセミナーを開催し、

スキルアップへの情報提供をしました。

 

耳を傾けてもらえる説明の要諦は、「聞く人のニーズに応える」

ことと言えます。決算書の説明を聞く皆さんがまず知りたいことは、

「法人の資産は増えたの?減ったの?」、「活動の費用対効果は?」

といったことでしょうか。

 

それらは、決算書に盛り込まれた多くのデータの、

いわば結論と言える重要なポイントです。聞き手の最大関心事とも

いうべき結論を先に伝えて、後からそこに行き着く道筋を説明する。

セミナーでは、そうした説明手順を提唱しました。

 

「結論を先に言え!」。筆者が新米サラリーマン時代に、

上司に叱り飛ばされた言葉です。陳腐な企画書を何の工夫もなく、

ただ順を追ってデータを丁寧に説明する筆者への、ウンザリ感満載の

「教育的指導」でした。以来、骨身に染み付いた筆者の仕事哲学の一つを

お伝えしたのでした。

 

そして、もう一つ大切なことをお伝えしました。

結論とは単なるデータでなく、それらが指し示す到達点です。

そこに行き着くためには、前年度の実績や当年度予算との比較など、

事前の分析が必要です。当年度の結果だけでは、

単に退屈な数値の羅列にすぎないからです。

 

赤字の責任は誰に?

  • 2017.04.08 Saturday
  • 10:51

年度末直前、某NPO法人のMさんが相談に来られました。

前任者から会計業務を引き継いで初めての決算だそうです。

ee-会計ソフトに入力された仕訳をご一緒に確認し、入力ミスや

勘定科目の誤りを修正するなどして、あと数日分の入力と

決算整理を残し、計算書類の概略がまとまりました。

 

やれやれと喜んでいただけると思ったのに、

意外やMさんの表情は曇っています。

理由は、正味財産増減額の赤字が決定的と判明したためでした。

 

いわく、

「こんなに赤字を出したのは私の責任です。

自分が支給を受けた交通費やその他の費用を返金して赤字を消したい。」

もちろん私の返事は「ダメッ!」です。

 

「法人の赤字は個人の責任じゃない。会計担当者がすべきは、

まず理事長への報告。法人としての対策は理事会に任せましょう。」

 

そうなんです、赤字責任は会計担当者が引き受けることではありません。

「自己負担で穴埋め」を考える善意の人は、他にもいらっしゃるのでは?

でも、その善意が運営上の課題を糊塗し、改善の芽を摘んでしまうかも知れません。

 

会計で最も大切にすべきは、真実を報告することです。

Mさんが会計事務に慣れていれば、決算数値の予測はもう少し早く

できたことでしょう。法人として決算予測を知ることで、

赤字を減らせていたかも知れません。

 

Mさんにとって大切なことは、今回のことを糧として、

次年度へのスキルアップを図っていただくことです。

でも、これは言わずもがなのことですね。

わざわざ遠方から相談にお越しいただく熱心な人なので、

来年度はきっと自信をもって会計を切り回していらっしゃることと

期待しています。

 

会計とは?経理とは?

  • 2017.03.25 Saturday
  • 09:52

みなさんは「会計」という語を聞くと、何を思い浮かべますか。

簿記?或いは会計帳簿とか決算書類?筆者はまずそんなところですが、

最近ある会合の後の2次会で聞いた某女史の用法は、ちょっと違っていました。

 

「会計担当の✕✕です。お会計、1人〇千円です。」

“商売”がら親しみのある「会計担当」が耳に飛び込み、世間で身近にある語なんだなーと

思ったり、「お会計」は丁寧語だよね、敬語じゃおかしいねなどと、

とりとめもなく考えたりしたのでした。 語の広がりに興味を覚え、

「会計」の意味をWebで調べてみました。日ごろ分からない言葉を調べる際、

よくお目にかかるデジタル大辞泉は、「会計」を次のように説明しています。

 

1: 代金の支払い。勘定。「会計をすませて店を出る」 ]

2: 財産の変動、損益の発生を記録・計算・整理し管理・報告する行為(長文なので要約しました)

 

気になった「飲食費の精算」も「会計」の正しい用法として、

ちゃんと辞書にあり安堵(?)しました。でも、それがまず最初に載っていることは

驚きでした。当然、小難しい2番目の内容が本来の意味と思っているからです。

でも、今どきの辞書は“お会計”が優先なんだと、認識を新たにしました。

 

ちなみに「経理」という言葉があります。以前から「会計」と「経理」の違いが

気になったり、職場として「経理部」はあるが「会計部」には遭遇しないのが

不思議だったりで、ついでに調べてみました。 「会計」は上記2のとおり

財産の管理全般を意味し、「経理」はその一部の「お金に関する事務」、

つまり「伝票処理から決算書に至る実務」のことのようです。

 

でも分かりが遅い私は、まだ気になっています。

「で、どうして会計部にお目にかからないの?」どなたか教えていただけませんか?

 

簿記は好きになれませんね

  • 2017.03.11 Saturday
  • 09:49

前回まで3回にわたり、簿記がらみの話題が続きました。

セミナーご参加者へのフォローを兼ねたため、内容が少し重かったでしょうか。

簿記が好きな人は別として、面白くもないと思う方もいらっしゃることを

気にしながらの連載でした。

 

簿記が好きな人って多くはないような気もします。昔、筆者が必要に迫られて

やむなく学んだから、そう思うのかも知れません。内部監査部門へ異動し、

大あわてで勉強しました。会計面は専任の担当者がいてくれるものの、

簿記を知らずに責任が全うできないという思いでした。

50歳過ぎで大原簿記へ夜間通学。難解な簿記問題に四苦八苦。

仕事の疲れで講義中に居眠り。若い人に混じってハラハラしながらの

簿記検定受験etc.我ながらよくがんばったものです。

 

以後、社内や関係会社の経理スタッフと話す機会が増え、気づいたことがありました。

例えば「給料/未払金」などと、仕訳をメモしながら話す人が多いのです。

会計上の取引に関して、きっとそう書くことで思考回路が定まり、

他人に正確に説明できるのだと思います。簿記は便利な手法ですが、

残念ながら私はそうした習性が身に付くほど深みにはまることができませんでした。

当センター代表の荻野さんは、私など遥か足元に及ばないほど会計に

“入り浸っている”人です。しかし驚いたことに、彼女にして

「簿記は好きになれませんね」の一言。

 

だからこそ、NPO会計担当者の皆さんの気持ちが人一倍分かるのかも知れません。

その温かい目線が、会計担当者の皆さんを支えて正しい会計を!という

当センターのミッションの根底にあるような気がします。

 

助成金の決算整理(NPO会計セミナーより 3)

  • 2017.02.25 Saturday
  • 09:54

会計セミナー第4回目「決算書の作り方」は、

この回だけ新たに参加された方も多く、会場は大入り満員でした。

 

正 しい決算は、日常会計事務の正確さに負う部分が大きいものの、

期末の帳簿・現物の確認に加え、決算整理が必須です。

 

決算整理とは、収益・費用が当年度と翌年度以後のどちらに所属するかを

明確にして会計処理を行うことです。 そのことを実習する中で、

参加者から助成金の決算整理に関する質問がありました(下記)。

 

助成金・補助金については、前払・後払、残額返還義務の有無ほか

色々なケースがあり、頭を悩ますことが少なくありません。

この機会に、易しいケースから順次考えてみましょう。

 

 助成金100万円を受け取りました。

【全額事前支給(銀行振込)、対象事業は年度内完了のため返還義務なし】のケース

 

 →(左)普通預金 100万円 / (右)受取助成金 100万円  

 

 ◆攵綉,如⊇成金の入金が、翌事業年度になる】ケース

 ,痢嵒當麺其癲廚髻嵬ぜ金」に替えます。

 

 → (左)未収金 100万円 / (右)受取助成金 100万円

 

質問のケース

助成金支給決定の通知に基づき対象事業を実施、年度内に完了した。 

助成金の入金は翌事業年度で、入金予定金額は実績を査定してから決定。

したがって、減額もあり得る。

 

○助成金支給決定&事業実施年度(当年度)

 

 →(左)未収金100万円  / (右)受取助成金 100万円  

 

○翌年度、助成金が入金になった時、10万円減額されて90万円だけが入金

 

 普通預金     90万円  未収金   100万円
 過年度損益修正損 10万円

 

前年度に、未収金は100万円で計上しています。

しかし90万円しか入金にならなかったので、

減額された分(10万円)は、入金時に、前年度の損失として扱います。

(こういった場合、前年度の会計データを触ってはいけませんので要注意です)

 

「預り」に困惑の表情(NPO会計セミナーより 2)

  • 2017.02.11 Saturday
  • 09:37

会計セミナーにて、振替伝票で「預り」には皆さん困惑しました。

給料から源泉所得税などを預かる際の伝票起票です。

 

例えば、

「次の,函↓△療蘇爾脇韻鍵嫐を持ちます」と言っても、ほとんどの方は「?」でした。

 

ゝ詢舛鮓酋發琶Г辰浸の処理(税金を1万円控除)

 給料     50万円

  現金                      50万円

 現金       1万円   預り金(源泉所得税)  1万円

 

給料を現金で払った時の処理(税金を1万円控除)

 給料         50万円    現金          49万円
 

 預り金(源泉所得税)1万円

 

しかし、会計セミナー2回目の「現金出納帳をつけてみよう」になると、

皆さんイキイキと手を動かし、3回目の「月次決算をしてみよう」に向って

着々と作業は進みました。

 

現金出納帳の秘訣は、ありのままを几帳面に書くことであり

続いての実習、総勘定元帳は左右を間違えないようにして、

もれなく転記する、が秘訣でしょうか。

 

総勘定元帳で、現金・預金の金額記入位置は、先週記載した左右の原則で

決まりますが、他の費用項目で位置を間違えるケーが見られました。

現金・預金の記入位置と、左右逆になることが忘れられがちだったのです。

 

総勘定元帳とは、いわば勘定科目別の箱がズラリと並んでいると考えましょう。

伝票起票または記帳が終われば、合致する科目の箱にポンポンと入れていくイメージです。

箱ごとに集計した金額を一覧表にしたものが試算表と考えれば、分かりやすいでしょう。

 

「月次決算」を12か月行ったことにして、いよいよ次回は4回目の「決算書の作り方」です。

簿記のキホンのキ(NPO会計セミナーより 1)

  • 2017.01.28 Saturday
  • 11:37

当センター主催のNPO会計セミナー(月1回開催)が終了しました。

 

“超初心者向け”でしたが、ふだん会計を担当している方々も

「復習」のために参加され、また、毎回愛媛県から車で来られる方をはじめ、

遠距離からの参加も多く、“超マジメ”な向学心一杯のセミナーでした。

 

4回シリーズの1回目は「NPO会計のキホンのキ」。

特に力を入れたのは簿記の初歩でした。

 

NPO会計基準は複式簿記を前提にしているため、

基本的な部分は知っていただきたいからです。

振替伝票の起票に関し、しつこく言ったのは

「現金(預金)が増えれば左、減れば右」

勘定科目「現金」を記載する位置のことです。

左は借方、右は貸方 ですが、意味のない難しい言葉ですので

名称はパスしました。

 

振替伝票例

  1月10日 ノートやボールペンなど事務用品を500円分買った】

 → 現金が減るから、現金が右側

(左)消耗品費500円 /(右) 現金500円

 

◆ 1月10日 正会員1人から年会費1000円受け取った(入金した)】

 → 現金が増えるから、現金が左側

(左)現金1000円 /(右) 正会員受取会費1000円

 

「左右は引き算!」と、繰り返し言いました。

同じ勘定科目は、左右で相互に消し合うという意味です。

 

【1月20日 ,了務用品を返品し、500円を返してもらった】 

→ ,虜険Δ魑佞傍票 (現金が増えるから、現金が左側)

(左)現金500円 /(右) 消耗品費500円

 

,虜限Α幣談徂僻500円)と、の右側(消耗品費500円)が引き算で0、

,留βΑ文酋500円)と、の左側(現金500円)も引き算で0、

つまり,旅愼は、取消されます。

 

い發靴癲↓の事務用品の返品、返金が、全額ではなく一部の200円だけだとしたら、

現金は、200円だけ、増えることになります。

→ (左)現金200円 /(右) 消耗品費200円

 

1月10日購入した時は、消耗品費500円でしたが、1月20日に200円返金されたわけですね。

,痢500円)から、い諒峩發気譴200円を引くことになるので、

左右を差引きして、それぞれ、現金、消耗品が300円残る勘定になります。

 

結果、1月20日時点で、消耗品費は300円となりますね。

 

 

1年の計は元旦に

  • 2017.01.14 Saturday
  • 10:00

皆さま、清々しい新年のスタートを切られたことと思います。

どうぞ今年もよろしくお願いします。

今年はトリ年、「商売繁盛」のエトと聞きます。

いにしえの創作(?)であるエトが、今の時代に神通力を

発揮できるかどうかですが、ともかくパッと景気の良い年になって

ほしいものです。

 

NPOも社会の一員、もちろん景気が無関係ではありません。

次年度計画や予算の策定に当たり、景気の先行きが気がかりな団体も

少なくないのでは? 計画・予算と言えば、筆者などは、サラリーマン時代の

習い性でしょうか、

PDCA(plan−do−check−act 計画・実行・評価・改善)の語を

連想します。PDCAサイクルを回し、計画から改善へのステップを繰り返す

マネジメント手法です。らせん階段を登るように、スパイラル状でレベルアップ

して行くことが期待できます。

 

1つのサイクルのスタートがplan(計画)であり、その裏づけが予算です。

予算をきちんと立てることが、良い活動を展開するための基本と言えます。

「1年の計は元旦にあり」です。事業年度初めが団体の元旦と考えれば、

17年度スタートの日に向けて、早めにしっかりとした計画と予算を準備して

おくことが望まれます。立案した計画に沿い、予算を守りながら、

しっかりと活動を展開して行きたいものです。

 

ただし、事業活動を取り巻く環境は、刻々変わります。

計画・予算に縛られない発想も大切です。状況の変化に応じ、

素早く予算を組み直す対応力や臨機応変さも併せ持てればいいですね。

 

「今年の漢字」に思うこと

  • 2016.12.31 Saturday
  • 10:37

大晦日、今年も今日で終わりです。皆さま、今年はどんな年でした?

「金」に縁がありましたか? 「今年の漢字」に選ばれた「金」。

リオオリンピックの金メダルラッシュに加え、政治とカネなど、

いろんな意味を含むようです。

 

筆者は、英国のEU離脱、米国大統領選の番狂わせほか、

連続する世界秩序の「変調」を懸念して「変」をイメージしていたら、

「金」、「選」に次いで第3位が「変」でした。

投票数15万余、うち「金」を推したのは6,655票、4.3%だそうです。

このインターネット社会なのにと、内幕の数字が意外に少ないことに驚きます。

100人中4人が選んだだけと知れば、「金」の輝きも少し鈍くなるような気がします。

いえ、「変」が3位だからと、ケチをつけているのではないです。

1位が「金」という事実は事実です。でも、事実の中身をちゃんと確認すれば、

インパクトの度合いも違ってくると言いたいのです。

「金」ではないと思う人が、100人中96人もいるのですから。

世の中、そういうことってありますよね。

 

実体を見ず、話題が先行してしまう。誰かが言った結論に乗ってしまう。

安易に流されないで、自分の目で分析すれば別のことが見えてくるものです。

そういう意味で、数字って大切ですね。

 

事実を語るとき、常に数字のバックデータを持つ。

むしろ、数字が事実を雄弁に語る。

会計ご担当の皆さまにとっては、当然すぎることかも知れません。

手元の数字を単に集計するだけでなく、それを分析し情報として生かしてこその会計です。

常に正確なデータに基づき、実状が客観的に説明される会計でありたいものです。

 

それはともかく、この1年、お疲れさまでした。

疲れを癒し、どうぞ良い年をお迎えください。

 

会計は簡単!?

  • 2016.12.17 Saturday
  • 10:00

前回報告した初心者向け会計セミナーの受講者さんから、質問がありました。

所属団体では毎月初、前月1か月間の証憑から科目別に集計し、

それを会計ソフトに入力するのだそうです。 つまり、日々の記帳はなく、

年間12回のソフト入力で決算に至るというわけです。

 

しかし、当センターのセミナーで毎日の記帳の大切さを学び、頭の中で

話がかみ合わないための質問でした。 筆者は常々「会計は簡単」と言って歩いています。

「だって、お金の出入りをそのまま記録すれば結果が出るのだから」と。

 

「カチン!」と来た方いらっしゃいます? ご苦労を軽視しているようでごめんなさい。

でも「単純に言えば、そのとおり」と 思っていただけた方もいらっしゃるはずです。

取引をそのまま記帳し、記録のまま入力する。それが決算書につながります。

 

「簡単」の秘訣は、「そのままの(正しい)記帳」です。

日々のありのままを積み上げて行く作業です。

 

データをためておいて一挙に 処理するのでは、証憑紛失や集計ミスほか、

何かと間違いが起きかねません。 ただ、単なる記帳でも、そのためのルールがあり、

それを知ってこそ正解に至ります。

 

前回ブログの表現で言えば、「車は左、人は右」など、運転の基本ルールを知ってこそ

公道が走行できます。会計でも、簿記に関する最小限の知識を持ち、

ルールとして守ることが必須です。ソフトを導入すれば簡単と考える人も

いらっしゃいますが、大きな誤解です。

 

「簿記の知識ゼロでも大丈夫」は、いわば幻想です。

会計ビギナーの皆さんが、コツコツと基本的な知識を習得し、

実践経験を経ながら、信頼される会計スタッフに成長されることを心より期待しています。

 

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