「預り金」がない?

  • 2017.07.29 Saturday
  • 21:59

訪問相談でお邪魔した団体での話題です。

給与計算がおかしいと思い、細部を確認しました。

結果、この団体の帳簿上の給料は差引支給額でした。

一方、個人の社会保険料や所得税などは

給料からの「預り金」で処理せず法人の費用として納付されています。

 

つまり、法人の給料支払額が減り、その減額相当分が

社会保険料や所得税などの科目で計上されているのです。

法人としては費用をケチったわけではないし、事務の簡素化に

つながっているのかも知れません。

 

でも、社会保険料は法人が負担すべき額の2倍になり、

租税公課が変に膨れ上がるなど、誤りであることは明白です。

ただ、個別の給料計算は正しく行われており、

給料明細書や源泉徴収票には何ら問題がないのが救いです。

いわば器用な間違い方(?)ですが、実はこの種の間違いは

特殊な例ではなく、似たケースに遭遇することがたまにあります。

 

給料受給者からクレームがつかないし、団体の費用総額も

結果オーライなので、気付かないまま続く間違いなのでしょう。

一方、例えば

「講師謝金を支払ったけど、面倒だから税金はノータッチ」とか、

「税金は講師本人が確定申告すればいいのでしょ」

などとおっしゃる天真爛漫(?)な方もいらっしゃいます。

 

このことも前述の例と同様、「預り金」の問題です。

「預かる」という処理は少し難しいことなのかも知れません。

でも、難しいからといって、自己流の処理をしていては、

法人の会計データが信頼できないものになってしまいます。

それに、なにより源泉徴収義務に対する法違反になりますよね。

 

「預り金」は、決算書の貸借対照表の負債の部に属します。

貸借対照表に「預り金」がない団体の方、大丈夫かどうか、

ちょっと確認してみてはいかがですか?

 

預り金の取り扱い方法

  • 2017.07.25 Tuesday
  • 12:38

良く見かける「預り金」の処理方法

 

困った!相談事例で多いのが、

講師への謝礼金を払ったときの預り金の取り扱い方法。

 

講師謝礼金を支払ったときに「源泉所得税」を預かって

納税しなければいけないことは、比較的知られています。

ところが、その「預かる税金」の処理が問題です。


良くある困った例(?)が

本当に「預かって」いる、のでです(@_@;)

封筒にいれて「預かっている」というケースが困りものです。

たとえば、10,000円の謝礼金と決まっている場合

講師をしてくれた人には、謝金×10.21%=税金なので

10,000円×10.21%=1,021円(源泉税)を税金として

団体が預かります。講師には、10,000円-1,021円=8,979円を

手渡します。

 

問題はこのときの、現金出納帳の書き方です。

現金出納帳には、『出金、10,000円』と記録されているだけなのです。

このように書く考えは、おそらく次のようなところでしょう。

 

8,979円は、講師に手渡す。

1,021円は、税金で納付する。

結果、お金が出ていくのは10,000円だから。

そして、税金はそのまますぐに銀行で納付するか、

あるいは、封筒にいれて担当者の引出しにあったりします。

 

皆様のところは、そんなことありませんか????

 

この作業は、一見、問題なさそうなのだけれど、

やっぱりいろいろと問題がある!のです。

この方法は、日々の処理の混乱の原因となります。

そもそも、

税金を預かったことをノートに書いていないから

あとから、なにかあっても調べようもない。
これは、まずい!ばかり。

「会計」の重要なポイントは、事実を書き記すこと。

封筒に、現金をあずかっていることを、

現金出納帳に書き記しておかなければ事実といえないわけです。

今回の例で大切なのは、税金を預かって納付することが帳簿に

記録されることです。

 

現金出納帳に書くには次のように考えます。

封筒に税金をいれて管理するのはやめましょう。

 

1)講師謝金は、総額10,000円で、講師には10,000円の領収証をもらう。

→ 講師に10,000円を払った。

 

2)源泉所得税をあずからなければいけないので、10,000円を講師に

渡して、同時に、税金分の1,021円を団体に戻してもらった。

→ 講師の手取りは、8,979円になる。(領収証は10,000円)

 

3)後日、税金8,979円を納付する。

→ 納付するときにあらためて、8,979円を出金する。

 

 

このように処理することが必要です!

わからなくなったら、いつまでも悩まずにすぐに

ご相談ください(^_-)-☆

 

 

 

NPO法人会計レベルアップ講座

  • 2017.07.23 Sunday
  • 12:53

当センターの会計アドバイザーの村上が、

会計の初歩から丁寧に解説します!

 

 

「あるある賞」にノミネート?

  • 2017.07.15 Saturday
  • 08:23

前回登場された質問者さんとは、講座後の帰途の路上で

偶然またお会いしました。立ち話しながらアドバイスの続きを

したのですが、話の中で驚いた話題がありました。

 

前任者からの引継時、「(勘定科目は面倒だから)分からなければ

みんな消耗品でいいよ」と言われたそうです。

引継ぐ側はなんといっても初心者、素直さ満載で、

「そういうものなんだ」と思い込んでいたとのこと。

 

「だめだめ」と科目分けの目的を話しながら、似たような団体は

他にもあるあると思いました。消耗品よりむしろ雑費のケースが

多いでしょうけど、活動計算書のそうした科目が、ばかでかい団体、

勘定科目数が異常に少ない団体など、面倒ゆえの大ざっぱな事務処理を

推測してしまいます。 固定資産を費用で処理したり、何でも雑費になったり

したら、そのデータは信用するに足りません。勘定科目をいいかげんに

割り振るなどは、会計業務の信頼性を自ら崩すものです。

 

収益にしろ費用にしろ、科目毎の合計額や全体に占める比率、

経年変化、予算額との対比などは、団体の方針・計画策定のための

重要なデータです。それよりも何よりも、公表した決算書が真実でないことは、

市民の信頼を裏切ることになります。会計担当者が、データを曖昧または

ずさんに処理することがいかに間違っているか、立ち話し相手の

初心者さんにはぜひ理解してほしいことでした。

 

最近、当センター内では、雑談の中でよく「あるある」の語が

飛び交います。「よくあるけど、なおさなくちゃね」という思いを込めて

言う場合が多いように思います。年間の「あるある」賞を設けるとしたら、

上記のケースなどは真っ先に受賞候補?という、典型的「あるある」ネタでした。

 

簿記は必要ですか?

  • 2017.07.01 Saturday
  • 09:18

過日の講座で、受講者さんから

上記の表題のような質問を受けました。

 

「会計担当者が辞めたので、突然その役割が

自分に回って来た。会計は初めてで困っている」そうです。

 

NPO法人会計基準では複式簿記が採用されています。

だから、前述の質問への回答は本来簡単なことです。

そもそもNPO法人制度は、お役所よりも市民の目による

監督を重視し、そのための情報公開を前提とします。

決算書を所轄庁に出すのは市民に公開するためであり、

信頼される会計データ作成のために複式簿記が採用されたのです。

つまり、答えは「もちろん必要」です。

 

でも、いろんな法人さんの実情を考えると何とも答え辛い気がします。

「複式簿記の知識が必須」と言えば、困惑されるだろうNPO法人さんが

少なくないはずです。「簿記を知らない会計担当者は珍しくない」のが、

NPO界の常識と言えるかも知れません。

 

「お金の出入りが少なく、現金出納帳だけで大丈夫」

「ソフト入力だけで決算書までたどり着ける」など、

簿記を知らなくても何とかなっている実態があります。

そして、それでもいいのだと思います。

要は日々の正しい事務処理の結果として正しい決算がなされること、

それが絶対条件(must)です。とすれば、「簿記の知識」は

必要条件(should)と言ってもいいのではないでしょうか。

 

簿記上級者が必ずしも会計事務に堪能ということではありません。

でも、簿記の知識を身につければ日常の実務に自信が増すでしょうし、

スキルの広がり、深まりも期待できます。ボチボチでいいから基本的な学習に

取り組んで行くことができれば、それがベストだと思います。

 

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