菓子箱の思い出

  • 2020.07.27 Monday
  • 09:09

もう10年ほどになるでしょうか。NPO法人の設立・運営相談に日々明け暮れていた当時の、小さな、でも忘れることのできない“事件”を思い出します。新設後1年ぐらい経った団体の話です。

 

設立前、足繁く相談に通われた理事長さんが、ある日突然、菓子箱持参で訪ねて来られました。手土産ではなく、包装のない古い箱です。それを前に置いて開口一番、申し訳なさげにおっしゃいました。「決算どうしたらいいですか。領収書は全部持ってきました。」まさかの依頼です。

 

いやはや、です。6月末日が目前。ただ領収書があるだけ。当然、「そんな無茶な」と出かかったものです。でも、いつも明るい理事長さんの申し訳なさげな表情を見ると、ぐっと呑み込むしかありません。どこの会計事務所に持ち込んでも断られるのがオチでしょう。筆者が断れば、いわば「路頭に迷う」のは必定と思われます。意を決して言いました。「ご一緒に、なんとか頑張りましょう。」

 

受けたものの、それは大変でした。証憑と不完全な入出金記録を頼りにしつつ現金出納帳を作りました。預金通帳の入出金を勘定科目別に細分化するのは、なかなかの苦労でした。つじつまの合わないところは記憶を掘り起こしてもらい、他のメモなど手がかりを探してもらったものです。

 

任意団体の幼児教室を法人化したものの、会員数があまり多くなかったこと、会費の記録がきちっとしていたことなどが幸いし、事業報告書等の提出期限になんとか間に合い提出できました。

 

設立・運営相談でも会計関連の相談は時々あるものの、記帳から決算までという会計事務の流れ全般をサポートしたのは初めてでした。やがて会計支援にどっぷり浸かことになるとは予想もしない頃、いみじくも会計現場の実情の一端を知ってしまった懐かしくも示唆的な出来事でした。

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