NPO会計支援センター

2005年からNPO法人の会計支援に特化した活動をしています。
NPO会計に関するいろんな出来事などを綴っていきます。


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NPOの税務講座から抜粋

NPOの税務について大切なこと!

以前実施した税務セミナーからの抜粋です。
講座「NPOの税務について 講師:櫻井繁樹税理士

先生:基本的に次のように考えてください。
NPOにおける税務は一般企業に比べると比較にならないほど複雑です。関係ないと思うのではなく、税務に関しての危機意識をもってください。最初にNPO法人と任意団体との基本的な違いを知っておいてください。 


■NPO法人(納付する税金として)
法人税・法人事業税・法人県民税・法人市民税などがあり、法人が負担すべき税金であること。納税については「申告納税方式」です。

■任意団体
所得税であり、個人に対して課せられる税金で、納税については、暦年課税(1−12月)「申告納税方式」です。

税務申告というのは、厳密にいえば、決算が最終確定してからでないと税務申告できないということを、知っておいてください。実務的には決算事務を済ませると税務申告関連の書類作成に入ることができますが、原則は決算が正式に確定してから税務申告に進むことができます。

決算の流れ:決算事務→監事の監査→理事会で承認→総会の承認→税務申告

NPO法人の場合、一般的には段階を得て総会の承認を終えたあとでなければ、本来は税務申告できません。


前提として法人税については次のことを覚えておいてください。
法人税に関しては、一般企業においては、大きく表現すれば、すべての儲けとその儲けを得るために要した費用の差額が利益とし、その利益に対して課税されるというのが概ねの考え方です。NPO法人においては、その取引の内容が法人税の課税対象となるのか、ならないのかを判別し、さらに費用においてもその費用がどの取引に対応して要したものであるのかを精査する必要があります。つまり取引の性格の一つずつを検討して、法人税の課税対象になるか否かを判定する必要があります。

NPOの行う事業の中で、下記の34業種に該当するものは、法人税法上の収益事業に該当し、その「儲け」の部分に対しては法人税の課税対象となります。

●法人税法(施行令)上の収益事業の範囲
(1)物品販売業(2)不動産販売業(3)金銭貸付業(4)物品貸付業(5)不動産貸付業(6)製造業(7)通信業(8)運送業(9)倉庫業(10)請負業(11)印刷業(12)出版業(13)写真行(14)席貸業(15)旅館業(16)料理店業その他飲食店業(17)周旋業(18)代理業(19)仲立業(20)問屋業(21)鉱業(22)土石採取業(23)浴場業(24)理容業(25)美容業(26)興行業(27)遊技所業(28)遊覧所業(29)医療保健業(30)技芸教授に関する業(31)駐車場業(32)信用保証業(33)無体財産権提供業(34)労働者派遣業

●上記内容が「事業場を設けて継続して営まれる」こと
移動販売やインターネット販売による無店舗販売なども該当する。年に1,2回のバザーなどは、「継続して」に該当しないが、定期的に何回もバザーを開催する場合には、物品販売業に該当する可能性もあります。

●上記収益事業に該当する場合でも「特例」がある。
*実費弁償による事業
*障害者や65歳以上の高齢者などがその事業に従事する者の半数以上を占め、かつその事業がこれらの者の生活の保護に寄与している場合

税務申告の実務については、上記収益事業に該当すると思われる取引を行っている場合には、税務署に対して「収益事業開始届出書」を提出する必要があります。収益事業に関する事業を行っていない場合には、法人税に関する税務署への届け出は不要です。

収益事業開始届出書(義務)を出す場合には、青色申告承認申請書(任意)も出しておきましょう。青色申告の届を出すことで、欠損の繰越が可能になります。県税事務所・市役所についても同様の届け出を行います。

皆様に理解しておいていただきたいのは、税務の問題については、実務経験のない担当者が、税務申告期限の直前になって、短時間で対応しきれるような事務ではない、ということを認識しておいてください。
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以上が、先生のお話を簡単にまとめてみたものです。今回の参加者の中には、NPO法人申請中の方もあったようで、みなさん非常に熱心に聞き入っておられました。とにかく、NPO法人の本来活動だから、とか、良い活動をしているのだから、という理由は、法人税の申告とは無縁の話であるということ。税務申告が必要なのかどうか、については、団体の実態と照らし合わせて、きちんと判断するべきだという姿勢が大切だということがよくわかりました。皆さん、税務については自分で勝手な判断をせずに必ず専門家に相談しましょう!

 

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