「一斉授業」の難しさ

  • 2020.09.20 Sunday
  • 10:28

「NPO法人会計レベルアップ講座」が神戸で始まりました。ひょうごコミュニティ財団主催の3回シリーズです。例年開催されていますが、今年も講師を担当させていただき、先日第1回目を終えました。コロナ禍で流行りのオンラインではなく、リアルでの講座ですが、定員の70%の方に受講いただきました。コロナに臆しない皆さんの熱心さに、肩を押される思いで講師を務めました。

 

後日、受講者アンケートの集計結果が送られてきました。「よかった」「ダメだった」の評価はもちろん気になるものの、その一言で片付かない受講者としての思いが知りたく、いつの場合も記述部分を丁寧に読むことにしています。そして、中でも最も注目するのが「難しかった」の語です。

 

今回、自由記述欄に3人の方が「難しかった」と書かれていました。講座後半の仕訳演習を指されているのですが、簡単な仕訳にしろ、簿記が初めての人には「?」の連続だったことでしょう。 会計に簿記の初歩的知識は必須という意味で組み込み、実務に使えるよう工夫しています。しかし、やはり短時間ではなかなか全員を「分かった!」にできないことが、毎回の悔やみの種です。

 

受講者の会計担当歴や簿記知識量はさまざまです。その皆さんに対して、講座という形での「一斉授業」は本来無理があることです。簿記が分かる人のことも考えると、焦点をどこに合わせるかが難しく、悩むところです。学習塾のように、その子のレベルに合わせた「個別学習」ができればいいのですが、講座という形では無理な話です。でもギブアップせず、そこをなんとか努力することで「難しかった」がゼロになるよう、さらに頑張らなければと思ったアンケート結果でした。

 

 

新発見!?

  • 2020.09.07 Monday
  • 09:03

沖縄の友人に手紙を書きました。新型コロナの感染拡大が増えているとの報道が気になっていた上に、台風9,10号の襲来。「大変だったねー」と、お見舞い半分、励まし半分の気持ちでした。

 

広くない沖縄でのコロナ蔓延は辛いはずと考え、感染状況を調べてみました。9月4日現在の感染者は2,200人。国内で感染者数8位の我が兵庫県2,355人に次いで9位です。東京をトップに大阪、神奈川・・・と、大都市を抱える都道府県に肩を並べてかなり上位に位置します。これはやはりGOTOトラベルの影響?などと考えたのですが、ちょっと面白いことに気づきました。

 

都道府県別の人口密度と感染者数のランキングを並べてみると、別表のとおりそれぞれかなり似た順位にあるのです。一部、福岡と埼玉が愛知をはさんでバランスを崩していますが、まあ近いと言えば近い場所です。つまり、感染者数と人口密度はかなり相関性が高いと言えるのです。

 

こうした報道にお目にかかったことがないので、一瞬すごい発見をした気になり、少々会計ネタから外れるものの、今回のブログテーマにさせていただきました。しかし、よく考えてみれば、「3密」の原理を確認しただけかも知れません。「人口密度」すなわち「人と人の距離」です。近いほど感染者が増えるのは当然のことと言われそうな気もします。ただ、感染者数10番目の北海道は、人口密度が国内最少(47番目)です。福岡ほか、こうしたズレが大きい地域では、何か別の要因が働いているはずであり、専門家によるそうした研究が深まっていくことを期待したいものです。

 

都道府県別人口密度と感染者数(1〜10位)

 

 

人材募集

  • 2020.08.23 Sunday
  • 10:51

新型コロナウイルスによる社会不安は各方面にわたりますが、感染者の拡大と経済活動の停滞が下火になる兆しが見えない中、雇用状況の悪化が進行しています。そんな社会的背景の中、「超」微細な話題ですが、当センターとして雇用市場に貢献するかも知れない状況にあります。

 

実はスタッフとして、「会計実務アドバイザー」を増員する方向で、求人活動を行っています。決算期の支援活動の多忙さがハンパではない中、会員団体へのサービスの質および量を向上させたいなどのニーズがあり、いい人が見つかれば仲間として活動に参加していただきます。

 

職務内容について、ハローワークに提出した求人票には、「NPO法人が正しい会計事務を行うことにより、活動の効率化と社会的信頼を高めるためのサポート」と記載しました。しかし、専門性が高く、難しい仕事でもあり、期待レベルの人がなかなか現れないまま推移してきました。

 

そこでちょっと目先を変えて求人サイト「インディード」を使うことにし、アピールポイントとして「日本唯一、NPO法人の会計支援に特化した業務で社会貢献を目的とします」、求める人材像を「仕事を通じてNPO法人会計のスペシャリストになりたい人」と表現しました。全て代表の荻野のアイディアですが、なんと!すぐに数人の応募者が現れたのは驚きでした。荻野が事業を立ち上げて以来ずっと大切にしてきた思いをぶつけた文章だからこそ、迫力が伝わったのではないでしょうか。

 

難しいものの、やりがいが大きい仕事です。ぜひ適性ある人材を探し当てたいものです。そして、会員団体の皆さんに貢献できるスペシャリストとして育って行ってもらえることを期待しています。

会計は難しく考えない

  • 2020.08.09 Sunday
  • 09:17

前回、領収書のたばを持って決算依頼に来られた方の思い出話をしたのは、最近も同じような相談があったからです。いえ、稀なことではなく、たまに似た相談が持ち込まれることがあります。

 

ある団体から電話がありました。「設立初年度、会計が分からないまま事業報告書の提出期限が過ぎてしまった」と。「他の会計サポート会社に相談し、ソフトの便利さの説明は受けたが、決算をゼロから手伝ってもらえる話にはならなかった」ので他を探し、当センターを見つけたそうです。

 

そもそも「会計が分からないまま」放置する大胆さ(?)に驚きますが、NPO法人の活動を会計面から支援することが目的の当センターとして、「イヤです」とは言えない事態です。このような場合、手間はかかりますが、出入金のデータさえ揃えばなんとか決算書にこぎつけられます。そう信じて「一緒に頑張りましょう」と答えることにしています。あの「菓子箱」による経験のおかげです。

 

四苦八苦しながら財務諸表完成まで辿り着いた後、「来年度は自力で」と依頼者を励ましつつ、いつも言うセリフがあります。「会計は難しく考えない。決まった手順で正しく積み上げるだけ。」 こんなことを言うと、世の会計専門家、ベテランの方に叱られそうですが、あくまでスタートしたばかりの会計担当者への励ましです。特別の才能やセンスが求められているわけではなく、簿記の初歩と一応のNPO法人会計基準の知識さえ習得すれば、なんとかやっていけると思っています。

 

最近はそれに加えて、当センターの検定テキストを座右に置くことが最善の道という気がしています。恩着せがましく無理強いにならないレベルで勧めていましたが、よく考えれば大いなる人助けです。分かりやすいテキストと好評をいただく中、ぜひ力強く推薦して行こうと思っています。

菓子箱の思い出

  • 2020.07.27 Monday
  • 09:09

もう10年ほどになるでしょうか。NPO法人の設立・運営相談に日々明け暮れていた当時の、小さな、でも忘れることのできない“事件”を思い出します。新設後1年ぐらい経った団体の話です。

 

設立前、足繁く相談に通われた理事長さんが、ある日突然、菓子箱持参で訪ねて来られました。手土産ではなく、包装のない古い箱です。それを前に置いて開口一番、申し訳なさげにおっしゃいました。「決算どうしたらいいですか。領収書は全部持ってきました。」まさかの依頼です。

 

いやはや、です。6月末日が目前。ただ領収書があるだけ。当然、「そんな無茶な」と出かかったものです。でも、いつも明るい理事長さんの申し訳なさげな表情を見ると、ぐっと呑み込むしかありません。どこの会計事務所に持ち込んでも断られるのがオチでしょう。筆者が断れば、いわば「路頭に迷う」のは必定と思われます。意を決して言いました。「ご一緒に、なんとか頑張りましょう。」

 

受けたものの、それは大変でした。証憑と不完全な入出金記録を頼りにしつつ現金出納帳を作りました。預金通帳の入出金を勘定科目別に細分化するのは、なかなかの苦労でした。つじつまの合わないところは記憶を掘り起こしてもらい、他のメモなど手がかりを探してもらったものです。

 

任意団体の幼児教室を法人化したものの、会員数があまり多くなかったこと、会費の記録がきちっとしていたことなどが幸いし、事業報告書等の提出期限になんとか間に合い提出できました。

 

設立・運営相談でも会計関連の相談は時々あるものの、記帳から決算までという会計事務の流れ全般をサポートしたのは初めてでした。やがて会計支援にどっぷり浸かことになるとは予想もしない頃、いみじくも会計現場の実情の一端を知ってしまった懐かしくも示唆的な出来事でした。

#コロナとどう暮らす

  • 2020.07.13 Monday
  • 08:57

上記は、7月5日のYahoo Japanニュース掲載記事の見出し、

「コロナ禍でも出社した経理部の女性 ・・・・ 社内でも『不公平』感じた日々」の末尾部分です。以下、記事から抜粋引用します。

 

「本音はもちろん、テレワークがいいですよ。でも、出社しないとできない仕事ですから」。専門商社で働く20代の女性は言う。所属部署は経理部だ。たとえ社内が変わったとしても、やりとりする他社が変わらないと。業務の効率化を図るためにも、社会全体で紙や印鑑を使う慣習を捨て、電子化してほしい。彼女はそう願っている。

 

会社は経理部門にも目を向け、書類を自宅に持ち帰ることを許可。テレワークが認められたという。書類を紛失することなく、しっかりと管理ができるなら、という条件付きだった。彼女がテレワークを経験した日は少なかった。緊急事態宣言が解かれた今、会社からは出社、テレワークの2択を用意されている。 「でも出社を選ぼうと思っています。出社しないとできない仕事ですから。」

 

外出自粛期間中、テレワークが実施できなかった人は約7割にのぼり、できた日数は週平均1.4日だったそうです。筆者の単なる推測ですが、NPO法人は遥かに少ないのではないでしょうか。 

 

実際にテレワークを行うとすれば、職場内のルール、対外的なセキュリティなど多面的な配慮、準備が必要になります。 当法人ホームページでは、5月4日付お知らせで「会計担当者が在宅勤務する際」を掲載しました。 近々発売の新刊「NPO法人会計力検定テキスト実践編6分冊版」では、より具体的なチェックリストとして収録しています。ご興味ある方には、ご参考になるかと思います。

計算書類と財務諸表

  • 2020.06.29 Monday
  • 16:13

前回は、所轄庁告知による注記フォーマットについての確認結果をお知らせしました。実は筆者は、それ以前から興味を持ち、機会があれば各所轄庁の告知の実際を調べてみたいと思っていた事柄があります。それは、「計算書類」と「財務諸表」の使い方です。

 

ご存知のように決算書類について、NPO法第27条は活動計算書・貸借対照表を計算書類と称し、別に財産目録を挙げています。一方、NPO法人会計基準は第8項で活動計算書と貸借対照表を財務諸表とし、財産目録を加えて財務諸表等と称します。また、同基準第31項は、「財務諸表の注記」に記載すべき項目を掲げています。どちらを使ってもいいのですが、所轄庁はそうしたNPO法と会計基準の用語の違いに対し、どう対応しているのか?に興味があったのでした。

 

前回同様、7大都市(東京、横浜、大阪、名古屋、札幌、福岡、神戸)の所轄庁ホームページを覗きました。提出書類リストなどにはその記載がなく、実際にはそれぞれの「手引」を参照しました。「官」の世界では、法の用語が優勢だろうと予測したとおり、ほぼ全部が「計算書類」派でした。 1所轄庁のみ注記の表題が「財務諸表の注記」だったものの、「重要な会計方針」の文章が「計算書類の作成は・・・」で、用語が首尾一貫していないのが少々残念でした。

 

「計算書類」は法人内部のガバナンスに用いることが多いそうですが、NPO法人会計基準は、「外部報告のための会計報告」というニュアンスを強めるために「財務諸表」を用いたそうです。そのことを知り、NPO法人会計の役割・使命からは、順当な考え方と思ったものです。

 

用語の目的を知って以後、注記の表題は「財務諸表の注記」、「重要な会計方針」は「財務諸表の作成は、 NPO法人会計基準・・・・によっています。(・・・・は、公表日、改正日、協議会名)」と記載するのが自然体のような気がしているのですが、皆さんはいかが考えられますか?

注記フォーマットの比較

  • 2020.06.15 Monday
  • 11:47

昨年4月に設立したNPO法人から、決算に関する質問がありました。事業年度をまたがる助成金の会計処理に関してでしたが、送られてきた注記案が気になり、いくつかアドバイスしました。

 

一つは「1.重要な会計方針」の第1行目です。

「計算書類の作成は、NPO法人会計基準(2011年11月20日 NPO法人会計基準協議会)によっています。」と書かれていましたが、正しくは(   )の中が、(2010年7月20日 2017年12月12日最終改正 NPO法人会計基準協議会)です。 そうお伝えしたら、市が提示している書式例を見て作ったが?と不思議そうでした。

 

そこで実態を調べてみようと、7大都市の所轄庁のホームページに掲載されているフォーマットを調べてみました。東京、横浜、大阪、名古屋、札幌、福岡、神戸です。すると面白いことがわかりました。 注記を事業報告書類の一つとして、財務諸表に肩を並べて表示しているのは3所轄庁のみで、多くは「手引」の中に収録されています。また、(   )内に会計基準成立日と最終改正日を記載した正しい表記は2所轄庁のみで、多くは旧スタイルにより一部改正日が表示されています。

 

中には「計算書類の作成は       によっています」と、日付等の記載を法人任せの所もあります。 なお、注記は10項目(記載義務あり7、義務なし3)あり、その第9項目目「役員及びその近親者との取引の内容」は、最終改正時に要記載事項が改正されました。それが各所轄庁のフォーマットに反映されているかを調べたところ、正しく反映しているのは2所轄庁のみでした。

 

上記の各比較において、福岡市は全てをクリアされています。ご担当者、関係者の皆様のきめ細かい気配り、ご尽力の賜物と、心より敬意を表します。

給付金・助成金手続きの簡略化

  • 2020.06.01 Monday
  • 09:11

国内の新型コロナは、いったん鳴りを潜めた感がありますが、世界的には570万人に達したとのこと、ほぼ兵庫県の人口に匹敵する感染者数の膨大さに驚きます。 経済落ち込みが懸念される一方、救済策としての持続化給付金と雇用調整助成金(特例)のニーズがかなり高まっている模様で、当センターへの問い合わせも増えています。

 

内容の概略は以前お伝えしましたが、手続きがその後簡略化されました。 例えば、雇用調整助成金は、従業員が概ね20人以下の小規模事業主は申請手続きが簡素になり、休業する場合は申請書4枚と添付書類だけになっています。計画書等の書類は不要になり、申請はかなり楽になったと思われます。

 

また、持続化給付金は、月の売上げが前年同月比50%以上減少すれば申請でき、該当月の売上台帳等及び前年の確定申告書の控えを提出する必要があります。しかし、NPO法人や公益法人等は、確定申告書の代わりに前年の年間収入が分かる書類でよく、前年の月平均額と当年の該当月の額との比較で可とされます。

 

ある法人から質問がありました。「前年の年間事業収入150万円、今年4月はコロナの影響で収入0円です。申請できるでしょうか?いくらもらえるでしょうか?」 給付額の算式は「前年の年間収入−対象月の収入×12か月」です。給付額の上限は200万円なので、「150万円−0円×12か月=150万円」が給付されると思います。 (あくまでも公開されている基準に則った筆者の理解です。質問いただいた方には、くれぐれも担当窓口で再確認していただくようお願いしました。)

総会の工夫

  • 2020.05.18 Monday
  • 08:18

猛威を振るった新型コロナも新規感染者が減り、いったん終息に向かっているように見えます。

 

まだ警戒水域にある8都道府県を残し、39県で国の緊急事態宣言が解除されましたが、安全宣言が出たわけでなく、おっかなびっくりの新ステージ移行かと思われます。   

 

3月決算法人では決算業務と並行して、総会をどんな形で?と悩まれるところも少なくない模様です。当ホームページでも「三密をさける総会」「みなし総会実施の手順」などの情報を載せましたが、先日は「総会が遅れるため役員が任期切れになる」ことが心配というご相談がありました。

 

この法人は、定款に役員の任期を総会まで伸長できる規定を定めているので、もちろん心配無用です。定めていなくても一般的に、辞任又は任期満了後に後任者が就任するまでは、その職務を行う義務があります。

 

役員任期が切れても、総会で次期役員を選任する義務は残ります。 「三密」を避け、場合によっては「web会議」を模索しつつ、そうした役員改選の時期が巡ってきた法人も多いはずです。

 

そしてさらに、今年度の活動量低下に伴う収益減など、例年にも増して検討すべき課題が多々あるのではないでしょうか。 少人数で密度を浅くというニーズがありつつ、むしろ「密」な議論を要するのが実態というような気がします。

 

つまり、今年の総会は、例年と比較にならないぐらい難しい運営を要すると思われます。各法人で企画・工夫されて、実のある総会になることを期待いたします。

 

そこで皆さまにお願いです。いいアイディアがあれば、ぜひ当方にお教えください。工夫例に学ばせていただき、好事例は当ホームページで広く共有させていただければと思います。(その場合、ご希望により法人名は伏せさせていただきます。)

 

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