「あるある賞」にノミネート?

  • 2017.07.15 Saturday
  • 08:23

前回登場された質問者さんとは、講座後の帰途の路上で

偶然またお会いしました。立ち話しながらアドバイスの続きを

したのですが、話の中で驚いた話題がありました。

 

前任者からの引継時、「(勘定科目は面倒だから)分からなければ

みんな消耗品でいいよ」と言われたそうです。

引継ぐ側はなんといっても初心者、素直さ満載で、

「そういうものなんだ」と思い込んでいたとのこと。

 

「だめだめ」と科目分けの目的を話しながら、似たような団体は

他にもあるあると思いました。消耗品よりむしろ雑費のケースが

多いでしょうけど、活動計算書のそうした科目が、ばかでかい団体、

勘定科目数が異常に少ない団体など、面倒ゆえの大ざっぱな事務処理を

推測してしまいます。 固定資産を費用で処理したり、何でも雑費になったり

したら、そのデータは信用するに足りません。勘定科目をいいかげんに

割り振るなどは、会計業務の信頼性を自ら崩すものです。

 

収益にしろ費用にしろ、科目毎の合計額や全体に占める比率、

経年変化、予算額との対比などは、団体の方針・計画策定のための

重要なデータです。それよりも何よりも、公表した決算書が真実でないことは、

市民の信頼を裏切ることになります。会計担当者が、データを曖昧または

ずさんに処理することがいかに間違っているか、立ち話し相手の

初心者さんにはぜひ理解してほしいことでした。

 

最近、当センター内では、雑談の中でよく「あるある」の語が

飛び交います。「よくあるけど、なおさなくちゃね」という思いを込めて

言う場合が多いように思います。年間の「あるある」賞を設けるとしたら、

上記のケースなどは真っ先に受賞候補?という、典型的「あるある」ネタでした。

 

簿記は必要ですか?

  • 2017.07.01 Saturday
  • 09:18

過日の講座で、受講者さんから

上記の表題のような質問を受けました。

 

「会計担当者が辞めたので、突然その役割が

自分に回って来た。会計は初めてで困っている」そうです。

 

NPO法人会計基準では複式簿記が採用されています。

だから、前述の質問への回答は本来簡単なことです。

そもそもNPO法人制度は、お役所よりも市民の目による

監督を重視し、そのための情報公開を前提とします。

決算書を所轄庁に出すのは市民に公開するためであり、

信頼される会計データ作成のために複式簿記が採用されたのです。

つまり、答えは「もちろん必要」です。

 

でも、いろんな法人さんの実情を考えると何とも答え辛い気がします。

「複式簿記の知識が必須」と言えば、困惑されるだろうNPO法人さんが

少なくないはずです。「簿記を知らない会計担当者は珍しくない」のが、

NPO界の常識と言えるかも知れません。

 

「お金の出入りが少なく、現金出納帳だけで大丈夫」

「ソフト入力だけで決算書までたどり着ける」など、

簿記を知らなくても何とかなっている実態があります。

そして、それでもいいのだと思います。

要は日々の正しい事務処理の結果として正しい決算がなされること、

それが絶対条件(must)です。とすれば、「簿記の知識」は

必要条件(should)と言ってもいいのではないでしょうか。

 

簿記上級者が必ずしも会計事務に堪能ということではありません。

でも、簿記の知識を身につければ日常の実務に自信が増すでしょうし、

スキルの広がり、深まりも期待できます。ボチボチでいいから基本的な学習に

取り組んで行くことができれば、それがベストだと思います。

 

借入金を活動計算書に

  • 2017.06.17 Saturday
  • 08:44

若かりし頃、「忙しい!」と悲鳴をあげ、

イヤミな上司に言われたイヤミを思い出します。

「キミらの仕事はたかだか時間単位だろ?ホントに忙しい人は

秒を争って仕事してるんだぞ。」

でもさすがに「そんな仕事したくもない」とは言えず、

ぐっと呑みこんだウブな時代の思い出です。

ところで4〜6月の当センター、荻野代表の日常は、

「秒」ではなくても「分」を争う日々。

会員団体への対応に追われ内部の打ち合わせなど“駆け足”もいいところ。

健康ならこそと感心します。

 

この時期、会員に限らずさまざまな団体・個人から

決算関連の質問電話が舞い込むことも多く、

筆者が対応する機会も増えます。

即答できない難問もあり、調べてお答えすることもありますが、

質問対応こそ自分の勉強にもなり、知識が広がり深まる有難い機会と

喜んでいます。

 

過日、「借入金を記載したら決算書類が合わないので困ってる」

という質問がありました。「ハハーン」と思いつつ、念のため作成中の

書類を送ってもらいました。やはり推測どおり、活動計算書に借入金を

記載しようと奮闘の模様。

でも、なんと書式は、NPO会計基準以前は一般的だった収支計算書を

アレンジしたものであり、ご苦労の跡がしのばれます。

収支計算書はお金の出入り(収支)を表記し、借入金も

「その他資金収入」として記載します。

しかし、最終的には「負債増加額」として引き算し、正味財産を算出します。

 

結果的に貸借対照表と合うものの、活動計算書に較べると、

なんとも複雑で回りくどい(不適切な表現ですみません。)思いがします。

「借金は、しても返しても、活動計算書には無関係。」

質問された方への回答でした。

 

貸借対照表の公告

  • 2017.06.03 Saturday
  • 09:38

今年も早や6月、

皆さまの団体では、もう総会が終わったでしょうか。

総会で、法改正に伴う定款の変更を審議されたNPO法人もあったことと思います。

資産の総額変更登記に代え、貸借対照表を公告することになったため

各法人は媒体をどうするかを決める必要があるのです。

 

「公告は官報で」と定める法人は、定款変更しなければ、

貸借対照表を官報に載せる義務が生じます。

載せる内容は「要旨」でいいものの、それなりの料金が発生します。

 

ちなみに東京都官報販売所のホームページで、

株式会社の貸借対照表の最小枠は、約7万3千円となっています。

法では各種の媒体を挙げていますが、お金をかけたくなく、

自前のホームページもない場合、内閣府のNPO法人ポータルサイトが

ベターかと思われます。さて、皆さまはいかがされますか?

 

定款変更をする場合、日程に制約があるのでご注意ください。

公告の開始日(施行日)は、来年12月までの今後政令で定める日ですが、

施行日が決まればそれ以前の直近に作った貸借対照表を施行日前か

施行日以後遅滞なく公告する必要があります。

つまり今年決めなかった法人は、来年の施行日までに開催する総会で

決定することになります。

 

内閣府は、施行日に関係なく今年から導入できるモデル定款

(下記下線部)を発表しています。

 

「この法人の公告は、この法人の掲示場に掲示するとともに、

官報に掲載して行う。ただし、法第28 条の2第1 項に規定する

貸借対照表の公告については、○○に掲載して行う。」

 

今年度、これから総会を開催されるNPO法人の皆さま、

ご参考にされてはいかがでしょうか。

 

スタッフ会議余談

  • 2017.05.20 Saturday
  • 10:00

風薫る5月も早や下旬、

総会準備にあたふたされている法人が多いのではないでしょうか。

 

当センターへのSOSや相談の電話も減り、今年の決算レスキュー活動も

峠を越した観があります。 センターの荻野代表は相変わらず

各法人への訪問で明け暮れ、4〜5月、事務所に顔を見せる回数は

極端に減ります。

 

筆者は4月初めに勤続1年を迎えましたが、昨年の出勤初日に

「次に会えるのは5月中旬ですね」と言われて、なんとハードな!と

驚いたものでした。 今年も同様に慢性的な時間不足の中、

過日、珍しく代表も同席して、センターのスタッフ会議を開きました。

 

夜遅くまで話し合ったのは、新規事業やホームページの改訂案でした。

今年度、新たな事業展開の企画が進行中で、やがての発表を「乞うご期待」です。

ホームページは、新たな情報を盛り込み、見やすく使いやすいものにと

アイディアをぶつけあいました。 何かをする場合、方法論の前にまず大切なことは、

「誰のために、何のために」の確認です。

 

上記新規事業は、荻野代表の「よく頑張っている人をほめてあげたい」気持ちを

形にすることをみんなで共有しました。ホームページの改訂では、

「当センター創業・運営の思い」が分かり易く伝わることを基盤とした

再構成へのアイディアをぶつけあいました。

それにつけても、筆者が勤続の浅い新参者だからこそ言えるのでしょうけど、

こんなに真面目に純粋にNPOの会計支援を志し、実践する団体って

他にあるだろうかと思ってしまいます。

 

会議後、深夜の三日月を見上げつつ、

そうした事業に参画できる幸せ感にひたりながらの帰宅道でした。

 

苦は楽の種

  • 2017.05.06 Saturday
  • 06:00

比較的好天に恵まれたゴールデンウィーク、

どこへ行っても人・人・人でお疲れの方も多いのでは?

こんな時こそ休養をとゆっくりできた方もいらっしゃるでしょうけど、

親愛なる会計担当の皆さま方にとって、どんな1週間だったでしょうか?

 

毎年のことですが、行楽地の賑わいをよそ目に、多くの団体が 年中で

一番忙しい日々を迎えてしまうのが会計業務の宿命(?)ですね。

どんなしごとでも遊びたいときに遊べないこともあるものという

割り切りも必要でしょうけど、過日ある会計担当の方から

ビックリする話をお聞きしました。

 

なんと、「決算?毎年4月第1週に終わるよ」ですって。

「エーッ、そんな魔法のような方法ってあるの?」と、

思わず聞いてしまいました。 でも、魔法ではありませんでした。

彼女は、自称「後からめんどくさいのがイヤな人」。

会計専任ではないだけに、担当日にやれることはどんどん

前倒しでやってしまうそうです。

 

こまめな記帳・入力、証憑整理はもちろん、

毎月の月次決算、帳簿の整備も几帳面に実践。

『本決算って、過去11か月のデータに3月実績と決算整理を

積み重ねるだけですやん』

簡単そうに言う彼女でしたが、そこに至るまでのご努力は

大きかったことでしょう。

 

「楽は苦の種、苦は楽の種」と言います。

「苦」とまでいかなくても、「めんどくさい」ことは先にやる。

それが「楽」を招く秘訣なら、真似してみる価値はありそうですね。

 

筆者は「今日できることを明日まで延ばすな」が普通の価値観だった時代に

育ちました。だから彼女の話に共感しますが、

「明日やれることは今日やるな」の人が多い今の時代には、

ハードルが高いチャレンジ目標かも?

 

聞く人のニーズに応える

  • 2017.04.22 Saturday
  • 10:08

4月も下旬になり、決算作業が峠を越えた法人も

少なくないことでしょう。まだ悪戦苦闘中のところも

あるでしょうけど、とにかく日々の努力のゴールとも

いうべき大仕事、無事の完了を祈ります。

 

決算作業の次は、理事会などで決算書の説明を任される

会計担当者もいらっしゃいます。そうした場で分かり易く

説明するには、デスクワークとまた違ったスキルが求められるため、

過日「報告書を説明する」というテーマでセミナーを開催し、

スキルアップへの情報提供をしました。

 

耳を傾けてもらえる説明の要諦は、「聞く人のニーズに応える」

ことと言えます。決算書の説明を聞く皆さんがまず知りたいことは、

「法人の資産は増えたの?減ったの?」、「活動の費用対効果は?」

といったことでしょうか。

 

それらは、決算書に盛り込まれた多くのデータの、

いわば結論と言える重要なポイントです。聞き手の最大関心事とも

いうべき結論を先に伝えて、後からそこに行き着く道筋を説明する。

セミナーでは、そうした説明手順を提唱しました。

 

「結論を先に言え!」。筆者が新米サラリーマン時代に、

上司に叱り飛ばされた言葉です。陳腐な企画書を何の工夫もなく、

ただ順を追ってデータを丁寧に説明する筆者への、ウンザリ感満載の

「教育的指導」でした。以来、骨身に染み付いた筆者の仕事哲学の一つを

お伝えしたのでした。

 

そして、もう一つ大切なことをお伝えしました。

結論とは単なるデータでなく、それらが指し示す到達点です。

そこに行き着くためには、前年度の実績や当年度予算との比較など、

事前の分析が必要です。当年度の結果だけでは、

単に退屈な数値の羅列にすぎないからです。

 

赤字の責任は誰に?

  • 2017.04.08 Saturday
  • 10:51

年度末直前、某NPO法人のMさんが相談に来られました。

前任者から会計業務を引き継いで初めての決算だそうです。

ee-会計ソフトに入力された仕訳をご一緒に確認し、入力ミスや

勘定科目の誤りを修正するなどして、あと数日分の入力と

決算整理を残し、計算書類の概略がまとまりました。

 

やれやれと喜んでいただけると思ったのに、

意外やMさんの表情は曇っています。

理由は、正味財産増減額の赤字が決定的と判明したためでした。

 

いわく、

「こんなに赤字を出したのは私の責任です。

自分が支給を受けた交通費やその他の費用を返金して赤字を消したい。」

もちろん私の返事は「ダメッ!」です。

 

「法人の赤字は個人の責任じゃない。会計担当者がすべきは、

まず理事長への報告。法人としての対策は理事会に任せましょう。」

 

そうなんです、赤字責任は会計担当者が引き受けることではありません。

「自己負担で穴埋め」を考える善意の人は、他にもいらっしゃるのでは?

でも、その善意が運営上の課題を糊塗し、改善の芽を摘んでしまうかも知れません。

 

会計で最も大切にすべきは、真実を報告することです。

Mさんが会計事務に慣れていれば、決算数値の予測はもう少し早く

できたことでしょう。法人として決算予測を知ることで、

赤字を減らせていたかも知れません。

 

Mさんにとって大切なことは、今回のことを糧として、

次年度へのスキルアップを図っていただくことです。

でも、これは言わずもがなのことですね。

わざわざ遠方から相談にお越しいただく熱心な人なので、

来年度はきっと自信をもって会計を切り回していらっしゃることと

期待しています。

 

会計とは?経理とは?

  • 2017.03.25 Saturday
  • 09:52

みなさんは「会計」という語を聞くと、何を思い浮かべますか。

簿記?或いは会計帳簿とか決算書類?筆者はまずそんなところですが、

最近ある会合の後の2次会で聞いた某女史の用法は、ちょっと違っていました。

 

「会計担当の✕✕です。お会計、1人〇千円です。」

“商売”がら親しみのある「会計担当」が耳に飛び込み、世間で身近にある語なんだなーと

思ったり、「お会計」は丁寧語だよね、敬語じゃおかしいねなどと、

とりとめもなく考えたりしたのでした。 語の広がりに興味を覚え、

「会計」の意味をWebで調べてみました。日ごろ分からない言葉を調べる際、

よくお目にかかるデジタル大辞泉は、「会計」を次のように説明しています。

 

1: 代金の支払い。勘定。「会計をすませて店を出る」 ]

2: 財産の変動、損益の発生を記録・計算・整理し管理・報告する行為(長文なので要約しました)

 

気になった「飲食費の精算」も「会計」の正しい用法として、

ちゃんと辞書にあり安堵(?)しました。でも、それがまず最初に載っていることは

驚きでした。当然、小難しい2番目の内容が本来の意味と思っているからです。

でも、今どきの辞書は“お会計”が優先なんだと、認識を新たにしました。

 

ちなみに「経理」という言葉があります。以前から「会計」と「経理」の違いが

気になったり、職場として「経理部」はあるが「会計部」には遭遇しないのが

不思議だったりで、ついでに調べてみました。 「会計」は上記2のとおり

財産の管理全般を意味し、「経理」はその一部の「お金に関する事務」、

つまり「伝票処理から決算書に至る実務」のことのようです。

 

でも分かりが遅い私は、まだ気になっています。

「で、どうして会計部にお目にかからないの?」どなたか教えていただけませんか?

 

簿記は好きになれませんね

  • 2017.03.11 Saturday
  • 09:49

前回まで3回にわたり、簿記がらみの話題が続きました。

セミナーご参加者へのフォローを兼ねたため、内容が少し重かったでしょうか。

簿記が好きな人は別として、面白くもないと思う方もいらっしゃることを

気にしながらの連載でした。

 

簿記が好きな人って多くはないような気もします。昔、筆者が必要に迫られて

やむなく学んだから、そう思うのかも知れません。内部監査部門へ異動し、

大あわてで勉強しました。会計面は専任の担当者がいてくれるものの、

簿記を知らずに責任が全うできないという思いでした。

50歳過ぎで大原簿記へ夜間通学。難解な簿記問題に四苦八苦。

仕事の疲れで講義中に居眠り。若い人に混じってハラハラしながらの

簿記検定受験etc.我ながらよくがんばったものです。

 

以後、社内や関係会社の経理スタッフと話す機会が増え、気づいたことがありました。

例えば「給料/未払金」などと、仕訳をメモしながら話す人が多いのです。

会計上の取引に関して、きっとそう書くことで思考回路が定まり、

他人に正確に説明できるのだと思います。簿記は便利な手法ですが、

残念ながら私はそうした習性が身に付くほど深みにはまることができませんでした。

当センター代表の荻野さんは、私など遥か足元に及ばないほど会計に

“入り浸っている”人です。しかし驚いたことに、彼女にして

「簿記は好きになれませんね」の一言。

 

だからこそ、NPO会計担当者の皆さんの気持ちが人一倍分かるのかも知れません。

その温かい目線が、会計担当者の皆さんを支えて正しい会計を!という

当センターのミッションの根底にあるような気がします。

 

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