NPO会計支援センター

2005年からNPO法人の会計支援に特化した活動をしています。
NPO会計に関するいろんな出来事などを綴っていきます。


昼行燈の決算書

薄ボンヤリとして役に立たない昼間の行灯(あんどん)。

「忠臣蔵」の主人公・大石内蔵助のあだ名でした。

しかし、そういう人間像を演じたのは敵方を油断させるためであり、

実像は優れた人物だったことは、史実が証明するところです。

人並み外れたマネジメント力があったからこそ、

浪士を率いて1年9か月もの間潜伏、満を持して吉良邸に討ち入り、

見事に目的を果たせたのでしょう。

いわゆる攻めにも守りにも強いリーダーだったと思われます。

 

守りの面で言えば、財務面の管理能力も抜群だったことが、

「忠臣蔵の決算書」という本(山本博文著・新潮新書)でわかります。

赤穂藩取り潰しから、討ち入り決行までの過程を通じて、

収支の記録が残されています。準備には、武器購入、情報収集・会議、

その他さまざまな費用を要しました。

一番多いのが関西〜江戸の旅費と滞在費で、 江戸滞在浪士には

月2分(約6万円)の生活費が支給されていたそうです。

軍資金は城明け渡し時の余剰金691両(約8,300万円)。

使った費用は697両(約8,360万円)。不足金は内蔵助の立替えです。

収支決算書は、討ち入り当日に亡主君夫人に提出されました。

財政的に火の車であり、資金が尽きるギリギリのタイミングでの

決行だったと言えそうです。

 

討ち入りの日は12月14日。実は筆者の誕生日です。

昔は誕生日を尋ねられると「忠臣蔵の日」と答えると分かって

もらえましたが、 最近の若い人にはそれが通じなくなってきました。

古い価値観に彩られた話題に興味がない若者が増えているのでしょうか。

ただ、あのような大事業が成功した背景に、会計面での手堅い管理が

あったことは、 もっと知られていいことだと思っています。

| 会計あるあるブログ | 13:10 | - | trackbacks(0) |
預かった社会保険料は何月分?

給与を払ったときの「社会保険料」について

 

その社会保険料は「何月分の社会保険料」ですか?
ここは、間違いが多い処理のひとつです。

「給与の会計処理」で、現金で給与を払ったときに、

預かった社会保険料の記帳方法を説明しました。

この「預かった社会保険料」の話です。

 

この事例は、5月労働の給与を、6月10日に現金で支払いました。

このときに大切なのは、この給与支払い時に預かった社会保険料は

何月分の社会保険料」であるか、ということです。

通常は、6月10日に支払う給与から預かる社会保険料は、5月分

あることがほとんどです。

5月分を6月10日の給与支払い時に預かって、6月末に引き落としされます。

 

しかし、翌月払いではなく同月払いの給与の場合には問題です。

たとえば、給与の締日が20日の場合です。

 

4月21日から5月20日間の労働に対する給与支払いで

支払い日が、5月31日のとき。

5月31日に支払う給与から預かる社会保険料は

次の2通りがあります。

(1)4月分の社会保険料

(2)5月分の社会保険料

自分の団体がどちらなのか!を把握しておくことは、

非常に重要なことです。

 

えっ?何が違うのか?って。

たとえば(1)4月分の社会保険料の場合。

4月分の社会保険料を5月31日給与支払い時に預かって、

5月31日の自動引き落としで納付します。

 

たとえば(2)5月分の社会保険料の場合。

5月分の社会保険料を5月31日給与支払い時に預かって、

6月30日の自動引き落としで納付します。

 

年金事務所が引き落としするのは翌月末ですから、

(2)の場合だと、預かった社会保険料を1か月分

団体で持っておくことになりますね。

そうすると、会計処理では、月末の預り金の残高が

1か月分の社会保険料があることになります。

 

(1)か、(2)かによって、会計処理にも影響します。

もちろん、入社時、退職時の社会保険料の預かるタイミング

違ってきます。労務管理を最初からきっちりとしておかないと、

途中からわけがわからなくなります。

そして、等級や料率が変更になったときにも影響し、

会計処理が混乱する原因にもなります。

 

皆様は、自分の団体の給与から預かる社会保険料が

何月分なのかを、きっちりと把握できていますか?

| 会計相談でよくある事例 | 16:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
検定受験準備講座!

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| セミナー | 10:03 | - | trackbacks(0) |
NPOの税務講座から抜粋

NPOの税務について大切なこと!

以前実施した税務セミナーからの抜粋です。
講座「NPOの税務について 講師:櫻井繁樹税理士

先生:基本的に次のように考えてください。
NPOにおける税務は一般企業に比べると比較にならないほど複雑です。関係ないと思うのではなく、税務に関しての危機意識をもってください。最初にNPO法人と任意団体との基本的な違いを知っておいてください。 


■NPO法人(納付する税金として)
法人税・法人事業税・法人県民税・法人市民税などがあり、法人が負担すべき税金であること。納税については「申告納税方式」です。

■任意団体
所得税であり、個人に対して課せられる税金で、納税については、暦年課税(1−12月)「申告納税方式」です。

税務申告というのは、厳密にいえば、決算が最終確定してからでないと税務申告できないということを、知っておいてください。実務的には決算事務を済ませると税務申告関連の書類作成に入ることができますが、原則は決算が正式に確定してから税務申告に進むことができます。

決算の流れ:決算事務→監事の監査→理事会で承認→総会の承認→税務申告

NPO法人の場合、一般的には段階を得て総会の承認を終えたあとでなければ、本来は税務申告できません。


前提として法人税については次のことを覚えておいてください。
法人税に関しては、一般企業においては、大きく表現すれば、すべての儲けとその儲けを得るために要した費用の差額が利益とし、その利益に対して課税されるというのが概ねの考え方です。NPO法人においては、その取引の内容が法人税の課税対象となるのか、ならないのかを判別し、さらに費用においてもその費用がどの取引に対応して要したものであるのかを精査する必要があります。つまり取引の性格の一つずつを検討して、法人税の課税対象になるか否かを判定する必要があります。

NPOの行う事業の中で、下記の34業種に該当するものは、法人税法上の収益事業に該当し、その「儲け」の部分に対しては法人税の課税対象となります。

●法人税法(施行令)上の収益事業の範囲
(1)物品販売業(2)不動産販売業(3)金銭貸付業(4)物品貸付業(5)不動産貸付業(6)製造業(7)通信業(8)運送業(9)倉庫業(10)請負業(11)印刷業(12)出版業(13)写真行(14)席貸業(15)旅館業(16)料理店業その他飲食店業(17)周旋業(18)代理業(19)仲立業(20)問屋業(21)鉱業(22)土石採取業(23)浴場業(24)理容業(25)美容業(26)興行業(27)遊技所業(28)遊覧所業(29)医療保健業(30)技芸教授に関する業(31)駐車場業(32)信用保証業(33)無体財産権提供業(34)労働者派遣業

●上記内容が「事業場を設けて継続して営まれる」こと
移動販売やインターネット販売による無店舗販売なども該当する。年に1,2回のバザーなどは、「継続して」に該当しないが、定期的に何回もバザーを開催する場合には、物品販売業に該当する可能性もあります。

●上記収益事業に該当する場合でも「特例」がある。
*実費弁償による事業
*障害者や65歳以上の高齢者などがその事業に従事する者の半数以上を占め、かつその事業がこれらの者の生活の保護に寄与している場合

税務申告の実務については、上記収益事業に該当すると思われる取引を行っている場合には、税務署に対して「収益事業開始届出書」を提出する必要があります。収益事業に関する事業を行っていない場合には、法人税に関する税務署への届け出は不要です。

収益事業開始届出書(義務)を出す場合には、青色申告承認申請書(任意)も出しておきましょう。青色申告の届を出すことで、欠損の繰越が可能になります。県税事務所・市役所についても同様の届け出を行います。

皆様に理解しておいていただきたいのは、税務の問題については、実務経験のない担当者が、税務申告期限の直前になって、短時間で対応しきれるような事務ではない、ということを認識しておいてください。
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以上が、先生のお話を簡単にまとめてみたものです。今回の参加者の中には、NPO法人申請中の方もあったようで、みなさん非常に熱心に聞き入っておられました。とにかく、NPO法人の本来活動だから、とか、良い活動をしているのだから、という理由は、法人税の申告とは無縁の話であるということ。税務申告が必要なのかどうか、については、団体の実態と照らし合わせて、きちんと判断するべきだという姿勢が大切だということがよくわかりました。皆さん、税務については自分で勝手な判断をせずに必ず専門家に相談しましょう!

 

| 会計相談でよくある事例 | 11:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
期待すれば実現する!

このブログでも何度かふれた「NPO法人会計力検定」が、

いよいよ本格的に動き始めました。 難易度に応じた4段階のうち、

「入門」と「基本機廚痢峺式テキスト」が完成したのです。

「えっ、こんなに立派に!」と思えるほどのできばえで、

関わった1人として大いに喜んだのでした。

NPO会計現場に必須の知恵満載、どこにもない本です。

ぜひ多くの人に役立ってほしいと願っています。

 

テキスト完成でホッとする間もなく、年明けには受験準備講座の

開催、そして本番の検定実施へと続きます。試験問題の出題は

会計専門家の先生方に作成していただきますが、裏方では

申込み受付、入金確認ほか多くの事務に追われる一方で、

何よりも注力すべきがPRです。

1人でも多くの、現場で困っている担当者の方に、

検定の趣旨が伝わるよう力を入れたいものです。

考えてみれば、全国版の検定などという“無謀”なことを

企図したのだから、多忙さに追われるのは当然です。

しかし、今の苦労が実って、NPO法人の会計水準向上に

役立つよう育って行ってほしいものです。

 

いわば、「這えば立て、立てば歩めの親心」です。

受験申込者数がまだまだの段階、つまり這ってもいない現状で、

「歩め」まで言うのはおこがましいかも知れません。

しかし、ことの成否は私たち関係者の熱意次第だと思っています。

筆者が好きで大切にしている言葉に、「期待すれば実現する」が

あります。魔法じゃあるまいしと思う人もいますが、

真意は

「期待が強ければ実現するよう努力する。努力が本物なら実現する」のです。

「立って歩む」日が早く来ることを期待し、期待度にふさわしい努力を

重ねたいものです。

 

 

| 会計あるあるブログ | 11:18 | - | trackbacks(0) |